2018.10.31(2018.10.31 更新)
猪八重が生物群集保護林になりました
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▲猪八重は、地域の最高峰・岩壷山(737m)の西側に広がる森で、水源となってきた川の源流部に当たる。
テーマ:森林保全
フィールド:猪八重
8月24日、宮崎県日南市で今年最初の林野庁九州森林管理局の保護林管理委員会が開かれ、猪八重の照葉樹林約481ha(日南市北郷町)を「猪八重照葉樹林生物群集保護林」にすることを決め、9月5日に発表されました。
標高約250~700m付近まで連続する、非常に発達した照葉樹林が、原生的な状態で奇跡的に残っていたところです。渓流沿いや尾根は着生植物やコケ植物、寄生植物の重要な生育地でもあります。この森が広がる2つの集水域を丸ごと保護の範囲に収められました。また、この森の低標高部分は「レクリエーションの森」となっていましたが、保護林範囲と重なった部分を利用区域から外すこと、トレイルランニングのコースとして使っていたところも、保護林内を通るコースは今後一切使用しないことで、北郷町ほかの了解も得ることができました。シカはまだ来ていない場所ですが、将来にわたっての侵入防止と、人の踏み荒らしや盗掘を防ぐ管理計画を持つことが、喫緊の課題です。
担当者から一言
参事 横山隆一 保護したい場所がレクリエーションの森になっているところは少なくなく、この事例を参考にしてほしいと思います。 |