2018.10.29(2018.10.31 更新)
森の一年と明るさの変化【今日から始める自然観察~観察会の味方!ピクチャーカード~】
観察ノウハウ
専門度:
テーマ:自然観察ツール
主に落葉広葉樹で構成された雑木林の大きな魅力のひとつは、四季の表情がとても豊かなことです。このコーナーでは、雑木林の一年間の変化の様子を、関東地方のコナラの多い森を例にとって紹介します。
四季により大きく雑木林の姿は変わる
雑木林の木々は、春、ほぼ一斉に芽吹きます。その後、短期間にほぼ一年分の葉を開くか、順次、葉を開くかなどは、木の種類によって異なります。また、葉を開く前に開花するコブシ、葉と花が同時に開くヤマザクラ、葉が開いてから花をつけるエゴノキと、開花時期も木によってまちまちです。
梅雨近くなると、木々の様子はそれほど変化しなくなります。そして、若葉が出そろうのを待っていたかのように、さまざまな虫たちが登場します。こうして夏の終わりまで、雑木林は虫たちの天下となります。
雑木林が秋らしくなるのは、10月に入ってからです。コナラの実(ドングリ)が熟し、やがて木々の葉が色づき始めます。12月になると雑木林の地面は、落ち葉でいっぱいになります。
3月になると、だいぶ日も高くなり、森の中も明るさを増してきます。木々が葉を開く5月ごろまでの間、雑木林は一年を通して、最も明るい時期を迎えます。この明るい時期に合わせて、スミレ・ニリンソウ・カタクリ・シュンランなど、雑木林を代表する草花が花を咲かせます。これらの植物の多くは、林内が明るい春の間に、開葉、開花、結実、という一年の活動の大半を済ませてしまいます。
季節の進み方は地方によって異なるでしょう。あなたの地域にある雑木林の生物暦をつくってみると、森の変化がよく分かります。
【今日から始める自然観察~観察会の味方!ピクチャーカード~】森の一年と明るさの変化