2018.07.04(2020.04.20 更新)
【配布資料】今日から始める自然観察「夏だっ♪ セミのくらし再発見!」
観察ノウハウ
専門度:
テーマ:環境教育
【今日から始める自然観察】夏だっ♪セミのくらし再発見!(PDF/1.33MB)
<会報『自然保護』No.564より転載>
このページは、筆者の方に教育用のコピー配布をご了解いただいております(商用利用不可)。ダウンロードして、自然観察などでご活用ください。
セミは私たちにとって最も身近な昆虫のひとつ。夏、長い間地中で暮らしていた幼虫が地上に出てきて成虫になり、メスは卵を産みます。
今回は羽化の観察や、幼虫が脱いだ後の殻の調べ方など、セミのおすすめ観察ポイントをご紹介します。
小久保雅之(NACS-J自然観察指導員東京連絡会)
羽化の観察
セミの羽化は夏の夜、19~21時ごろ、子どもたちも起きていられる時間に観察することができます。まだ少し明るい18時ごろに集合しましょう。日が沈んで暗くなってくると、土の中で暮らしていた幼虫が外の様子をうかがい、地表に出てきます。地面を歩き、木に登る幼虫の姿を観察した後、いよいよ羽化の観察です。幼虫から成虫への劇的な変化、神秘的な美しさをじっくり観察して、楽しみましょう。
東京で一番多いアブラゼミの羽化のピークは8月の上旬です。この時期にはニイニイゼミの羽化のピークは過ぎていますが、ミンミンゼミの羽化も観察できますし、ツクツクボウシの羽化も始まっています。関東より西の太平洋側で多いクマゼミは、もう少し早い時期がピークになります。
セミは羽化する場所が決まって動かなくなると、幼虫の背中が割れ、緑白色の体が見えてきます。羽化の始まりです。頭部、胸部、脚が出て、腹部の先だけ殻の中に残ししばらく反り返った状態で時間を要します。その間に脚にしっかり力が入るようになります。上手く自分の抜け殻につかまって、腹部の先端が殻から抜けるときが一番盛り上がる瞬間です。縮まっていた羽が一気に伸び、セミの形に変化していきます。
セミの幼虫は動きも遅く、栄養はたっぷりなので、ほかの生きものが餌として狙っています。ヒキガエル、カラスなどは夕方になるとセミの幼虫が地面から出てくるのを待っています。羽化中にも、ムカデ、スズメバチなどに襲われることもあります。
抜け殻を調べよう!
セミの抜け殻は、その場所に1匹のセミが羽化した証拠です。小学校の低学年でも抜け殻で種類を見分けることができます。夏休みの宿題にももってこい! みんなで調査をすると、もっと楽しくなります。
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