2018.06.04(2019.07.08 更新)
四国ツキノワグマの新たな生息地を確認
調査報告
専門度:
▲新たな生息地で確認されたツキノワグマ。仕掛けられたハチミツを探る。後方からもう1頭が近づいてきている(徳島県の剣山系、写真:日本クマネットワーク)
テーマ:絶滅危惧種生息環境創出モニタリング
フィールド:森林
日本クマネットワーク、四国自然史科学研究センターとの協働により、四国に生息するツキノワグマの保護活動を進めています。四国のツキノワグマの個体数は十数頭と考えられており、まさに絶滅の危機にあります。現状の生息状況を把握するため、生息状況が把握できていないエリアを中心に44台のセンサーカメラを設置したところ、そのうちの1カ所で新たに生息が確認できましたが、そのほかの場所では生息が確認できませんでした。
また、今後四国でツキノワグマの保護を具体的に進めるためには、地域の方々の理解が不可欠であるため、徳島県と高知県在住の500名にインターネットアンケート調査を実施し、意識調査を行いました。その結果、四国でツキノワグマが絶滅の危機あることの認知度は34%で、四国にクマが生息することについて52%が好感も嫌悪感もなく「何も思わない」と答えました。現在の危機的状況から保全を進めるためには、より多くの市民に関心を持ってもらうことが必要です。
生物多様性保全室 出島誠一
四国でツキノワグマの新たな生息地として確認された場所は、偶然にも私がカメラ回収作業を担当した場所でした!