2018.06.01(2018.06.01 更新)
センサーカメラ調査ってどんなもの?
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専門度:
▲ 一つの場所で撮れた写真を合成した写真。動物を見分けるトレーニングに使います。
テーマ:モニタリング
こんにちは、エコシステムマネジメント室の松井です。
今日6月1日は「写真の日」ということで、野外調査に欠かせないセンサーカメラのお話です。
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センサーカメラは、哺乳類などの動物が前を通るとセンサーが反応し、自動で撮影を行うカメラで、野外の哺乳類調査などに使われます。
植物などは、人が近寄っても当然動きませんが、野生の哺乳類は近づくと逃げてしまうため、直接確認することは難しいです。また、大型の哺乳類はそもそも直接出会うこと自体が危険な場合もあります。足跡や糞などの痕跡を探すことでその生息状況を把握することもできますが、これらの痕跡は雨などで流れやすく、数日程度で確認できなくなることも多くあります。
それに対して、センサーカメラは一度設置すると電池とメモリが持つ限りずっと撮影を続けてくれるため、その場に生息する動物の情報を長期間集めることができます。
例えば、赤谷プロジェクトでは、赤谷の森にたくさんのセンサーカメラを設置した結果、ニホンジカが過去いなかった場所で記録されるようになり、ニホンジカの分布が広がっていることがわかりました。さらに1つの地点のカメラだけみても、映っている頻度が過去と比べて増加していることが確認できたことで、分布が広がったことと、個体数が増えたことがわかりました。
センサーカメラは設置後の定期的な記録メディアや電池の交換に加え、撮影した画像に何が映っているかの確認などの手間がかかりますが、普段直接みることの少ない動物たちを写真で見られることが調査の魅力です。また、撮影できた写真を調査だけでなく、教育的な資料として使いやすいことなども面白いところです。
近年は比較的安い値段でも手に入りますので、ここにどんな哺乳類がいるんだろう?と思われている方はお試しいただいてはいかがでしょうか。時には中々ひょうきんな顔で映ってくれる動物たちも…