2018.06.04(2019.07.08 更新)
オオルリシジミがすむ環境をみんなの手で増やそう!
イベント報告
専門度:
▲クララの株を植え付け完了!
テーマ:生息環境創出
フィールド:草原
草原環境にすむ絶滅危惧種のチョウ「オオルリシジミ」の幼虫は、「クララ」という植物のつぼみと花だけしか食べません。数少ない生息地の長野県安曇野市では、チョウ保全担当の福田真由子が地元の皆さんと協力しながら、食草・クララの植栽活動に奮闘しています!
(リポーター・NACS-J高津紅実)
草原のチョウ保全担当 福田真由子
生物多様性保全室の実務を一手に引き受ける働き者。ちょっぴり天然? 家では子育てに奮闘するたくましいお母さん。チョウのすむ草原の保全に懸ける思いは誰にも負けていません。
かつては東北や関東地方の草原、田畑の畔にも生息していたオオルリシジミ。1990年代から個体数が減り始め、現在、日本に残された生息地は長野県内の3カ所(安曇野市、東御市、飯山市)と九州の阿蘇地方のみとなり、絶滅が最も心配されるチョウのひとつです。
NACS‐Jは2016年度から、研究者や地元の皆さんと協力してオオルリシジミの生息地を広げる活動に取り組んでいます。2017年9月に長野県安曇野市で、圃場整備のため失われる予定だったオオルリシジミの食草のクララを、国営アルプスあづみの公園用地内にあるオオルリシジミの保護区周辺に移植する作業を行いました。
▲圃場整備のため失われる予定だったクララの株を、移植するために掘り起こしているところ。
生息地をつなぐクララ100本
当日の参加者は、長野県内の行政担当者をはじめ、安曇野オオルリシジミ保護対策会議の皆さんと福田真由子の声掛けに応えてくださったNACS‐J会員の皆さん、合わせて60人。雨上がりの青空の下、畑の畔に生えていたクララを一気に掘り起こし、国営公園内の保護区ともう1カ所の生息地をつなぐルート上に、株分けしたクララを1本ずつ植えていきました。クララの根は意外に太く、しっかりしていて、移植場所の斜面に穴を掘って植えるのは一苦労。春にオオルリシジミがこの場所を舞う風景に思いをはせながら、全員で力を合わせて約100本を移植することができました。
現在、あづみの公園内のオオルリシジミ保護区は1haほどの面積しかありません。オオルリシジミを絶滅から救うためには、保護区外にも生息に適した環境を拡げていくことが急務です。
「もっともっと会員や地元の人たちにオオルリシジミを知っていただきたい。それによってクララの植栽活動に参加する人が増え、生息地を保護区から地域全体へと広げていけたら」と福田は将来を描いています。
▲移植作業メンバー。皆さん、ありがとうございます!
観察会 & クララの移植状況調査 参加者募集!
オオルリシジミと同じく絶滅の危機が迫るチョウ、ウスイロヒョウモンモドキの保護活動では、今年も鳥取県鳥取市余戸地区でチョウの食草を守るための保全活動を進めます。多くのご支援が必要です。寄付チラシを同封させていただきました。ご協力お願いいたします。
リポーターから一言
総務室 高津紅実
実は、オオルリシジミをまだ見たことがありません。
5月の観察会で、自分が移植したクララに舞うオオルリシジミに会いにいきます!
この記事のタグ