2018.03.01(2018.03.06 更新)
芽生え探し【今日からはじめる自然観察 ~観察会の味方!ピクチャーカード~】
観察ノウハウ
専門度:
テーマ:環境教育
自然観察会などで上手にピクチャーカードを使えば、観察のポイントをしっかり伝えたり、その場では見えにくいものを説明したりすることができます。必要に応じて、イラストを加えるなどして、自分のフィールドに適した使いやすいカードに仕立ててください。
芽生え探し
どんなところに生えている?
森の中にはたくさんの木の芽生えがあります。親木の下、落ち葉の少ない所、鳥がよくとまりそうな大きな木の下などが探すポイントです。芽生えの時期は、落葉樹は晩春、常緑樹は初夏のころですが、中にはアオキやタブノキのように秋になってから芽生える変わり者もいます。
多くは子葉が2枚ですが、マツやモミなどの裸子植物の場合には数枚のものがあります。また、ドングリ類やクルミなどの大きな種子のように、本葉が直接出て子葉が土の中に残るものもあります。
子葉だけで植物の種類を調べることは難しいのですが、本葉が出ていれば親の木の葉と似てくるので判別しやすくなります。植物の種類がある程度分かったら、タネのときどんな方法で運ばれてきたか考えてみましょう。
芽生え探しから見えてくる森の移り変わり
初夏のころ、雑木林の中を歩いてみると、コナラの芽生えがたくさん見つかります。みんなその年に出た小さな芽生えばかりです。2年目、3年目の芽生えはほとんど見当たりません。雑木林の中の明るさでは、陽樹であるコナラの芽生えは光不足のため枯れてしまうのです。でも、中には何年か育っているやや大きなコナラの若木を見つけることがあります。どんなところに育っているか周りをよく観察してみましょう。
一方、アオキやシラカシなど陰性の常緑樹は、少ない光でも育つことができます。うす暗い林の中でもほとんど消えることはありません。林の中の明るさと芽生えの消長は、森の移り変わりに深くかかわっています。
【今日からはじめる自然観察 ~観察会の味方!ピクチャーカード~】芽生え
※本コーナーは「NACS-Jピクチャーカード作成委員会」が制作したものを編集して掲載しています。すべてのピクチャーカードは、NACS-Jウェブサイトの「会員コンテンツ」でご覧いただけます。