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2018.01.26(2018.01.26 更新)

沖縄・名護市東海岸調査や辺野古の調査のために、沖縄に出張してきました。

報告

専門度:専門度3

テーマ:海の保全自然資源自然環境調査

フィールド:

 保護室の安部です。1月中旬、沖縄に出張し、各調査をしてきました。

 

 

【1月12日】
昨年行った沖縄名護市東海岸調査の続き。ときおり雨も降る寒い1日でした。
民宿てるやに寄り預けている機材をピックアップ。気温11度。その後、保屋野さん(日本自然保護協会理事)とわんさか大浦パークを訪ね、打ち合わせののちマングローブ遊歩道を歩いてみました。

その後、ダイビングチームすなっくスナフキンの西平伸さんのお話しを伺いました。瀬嵩の浜をちらっとみて西海岸へ。

明日はちょっと大宜味に行ってから名護市東海岸に戻ってきます。

「干潟、海草藻場、砂、泥地、サンゴ礁というさまざまな環境。これら環境と生き物はバラバラにあるのではありません。おたがいに網の目のような複雑な関係を保ちながら、まるで大浦湾全体が1つの命であるかのように、日々いとなみを続けています」(すなっくスナフキンの大浦湾模型展示より)

今、行われている工事がどのようにひどいものかわかっているのでしょうか。1つの命を切り刻んでいるのも同然です。

 

 

【1月13日】
やんばるの自然を広く見るために大宜見の大保ダムに行き、ぶながや館を見てきました。
やんばるのダムの模型が展示されていて、沖縄が水資源をいかにやんばるの森に頼っているかよくわかりました。こんなに頼っているのにそのやんばるの自然をきちんと守らずヘリパットや訓練場として提供するのみならず、世界一長いロープウェイ構想まであるとは信じられないことです。

「黙々100年塾 蔓草庵」の島袋正敏さん、浦島悦子さんなどと打ち合わせののち、嘉陽へ。嘉陽の集落では目当てにしていた人にお会いできず、褶曲を見て、南下しました。

うるま市にて、海人の会の共同代表の玉栄将幸さんの海と共に暮らしてきたお話を伺い、楽しい時間を過ごしました。

 

【1月15日】

勝連半島・宮城島チャネルで海人の会主催のリーフチェックに講師として参加しました。
寒い1日でしたが、冬の沖縄の海はとても美しいです。パラオハマサンゴ、塊状ハマサンゴ、ユビエダハマサンゴなどのハマサンゴの仲間が目立つポイントです。

チョウチョウウオ、ブダイ、スズメダイ、セジロクマノミ、ハナゴイ、ガンガゼ、ナマコ、シャコガイなど多くの生き物が記録されました。昨年の夏の高水温等による白化の際の影響と思われるサンゴの死滅もありましたが、総じてこのポイントは健全であると思います。

ダイビングの最後にアカヒメジとノコギリダイの群れに遭遇しました。八重山か海外かと思うくらいきれいな光景に調査員一同かなり長い間見とれていました。

このあたりに来ると必ず目に入るのがこの石油備蓄基地です。有事の際に使える石油を備蓄するという国策で作られたとのこと。
そしてその工事のために作られた海中道路は今や観光スポットになり、私たちも便利に使って平安座島まで来られる訳です。今でもきれいな海はこれらの施設ができる前はもっともっときれいだったことと思います。見てみたかったです。

 

【1月16日】
同じく勝連半島・浜比嘉島の岩クズのリーフチェック(主催:海人の会)に講師参加。
宮城島チャネルは少し海が荒かったのですが、このポイントはおだやかで、陸からも近くこんなところにサンゴ群集があるのかと思えるほどです。

水面下には、塊状のハマサンゴ群集やユビエダハマサンゴ群集をメインとし、きれいで生物多様性豊かなサンゴ礁生態系が展開しています。どこか大浦湾のポイントと似たようなところがあるのですが、どこも決して同じではなく、それぞれが面白いです。

 

今回は最後にいいことがありました。産卵を終えたばかりのコブシメにあうことができました!!!産卵したばかりの卵も見ることができました。とても寒い日でしたが、これだから海は止められないです。

※ものさしと一緒に写っているサンゴの枝の中にコブシメの卵があります。

 

 

【1月18日】
辺野古の水質調査サンプルを入手するために西原ルカ船長にグラスボートを出していただきました。今回はアシスタント(こと泡瀬干潟を守る連絡会のメンバー)2名を伴いました。

少し無理をして長島に行き、クマノミ城に行き、K9護岸をはじめとする工事の様子などを見て、チリビシのアオサンゴ群集とミドリイシ群集を見ました。

前回の国際サンゴ礁年(2008年)のときには埋め立てが進む泡瀬干潟を見てこのメンバーで心を痛めたものですが、10年後の今年2018年もまた同じ光景を見ることになろうとは思いませんでした。

海草やサンゴ類は移植できるという技術信仰に従い移植はしてみたものの失敗した泡瀬干潟。貴重な自然の損失から何も学ばなかったなんてバカみたい。大バカです。学習機能がないんでしょうか。役所の人を2-3年で異動させるから学習できないんじゃないでしょうか。でも有識者の質も落ちているか。サンゴ類も海草も移植では助かりません。

 

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