2018.01.02(2018.01.25 更新)
会報表紙フォトコンテスト 結果発表
報告
専門度:
テーマ:環境教育フォトコンテスト
第4回 会報『自然保護』表紙フォトコンテスト結果発表!
講評:尾園 暁(昆虫・自然写真家)
4回目を迎えた会報表紙フォトコンテストには、248名の方から合計739作品を送っていただきました。応募総数は前回を大きく超え、自然の魅力を伝えるたくさんの作品が届きました。
また、たくさんの方が日本自然保護協会(NACS-J)の広報・普及啓発活動に無償で使用してもよいとして作品を送ってくださいました。
ご応募・ご協力ありがとうございます。今年の会報は、これらの受賞作品の表紙で会員の皆様にお届けします。
審査員:尾園 暁 (昆虫・自然写真家)秋山幸也 (NACS-J自然観察指導員講習会講師、 相模原市立博物館学芸員)美柑和俊、田中未来(MIKAN-DESIGN)鶴田由美子 (NACS-J事務局長)道家哲平、増沢有葉、田口裕美子 (NACS-J広報会員連携室)
■優秀賞(会報表紙賞)
林 昌尚【ヒヨドリ】
ひんやりと冷たい空気感まで伝わってくる傑作です。ヒヨドリというポピュラーな被写体をこれだけの作品に仕立てた、撮影技術と画面構成力に脱帽です。よく見ると舞い降りる雪まで写っていて、どこまでも隙がありません。
松原広光【藤とクマバチ】
藤の花を淡いトーンでふんわりとまとめた画面の中に、一頭のクマバチがピリッとスパイスのように効いています。被写体前後のボケの使い方がうまく、季節感と昆虫の生態をうまく表現した、美しい作品に仕上がっています。
黒川マリア【アマツバメ】
大胆な構図と色合いが、ハッと目を引く作品です。高速で飛ぶアマツバメを見下ろすアングルで、それも2羽同時にというシャッターチャンスをものにした撮影技術もお見事です。撮影者の技術とセンスの結晶と言えるでしょう。
後藤和也【チングルマ】
一見、美しい花と風景の気軽なスナップにも見えますが、実際は構図をよく練って撮られた優れた写真です。広角レンズの使いこなしが素晴らしく、静的な被写体でありながらダイナミックな作品となっています。
水上貴夫【稲とアリ】
たわわに実った稲穂とアリの組み合わせが、季節感と物語を感じさせる作品です。アリや稲の一粒一粒にまでしっかりとピントを合わせる技術もさることながら、難しい構図をきれいにまとめています。
有本 実【サケ】
画面構成の素晴らしさが目を引きます。繁殖という使命を果たすために故郷に戻ってきたサケに向ける、撮影者の優しいまなざしが感じられます。難しい逆光を生かした撮影技術も確かで、実に美しい作品に仕上げていますね。
■入賞(ポストカード賞)
森田茉李映【メジロ】
春の柔らかな光の中、花を咲かせたモミジとメジロの組み合わせが、どこか日本画を思わせるような美しさです。一瞬のシャッターチャンスを確実にとらえつつ、構図や露出にもしっかり気を配るあたりに、撮影者の余裕と優れた技量が現れています。
金庭真登加【ヒガンバナとワカバグモ】
大胆でいて繊細。その色使いと構図に惹かれました。彼岸花の細い雄しべと半ば透けたワカバグモから感じられる、張り詰めた空気感や光の選択も素晴らしい。高度な撮影技術と優れたセンスが融合した傑作です。
吉廣 剛【ウミガメ】
大胆な構図とウミガメの表情が目を引く作品です。ウミガメが自分の頭上を泳いでいるという、貴重なシャッターチャンスをとらえましたね。波打つ海面とウミガメを照らす陽光のきらめきをしっかりとらえ、美しい作品に仕上げています。
和田信行【ウスバシロチョウ】
里山の初夏の風物詩とも言える光景。ウスバシロチョウのもつ半透明の翅が、向こう側の花を透して見せており、言葉無くしてこのチョウの特徴を伝えてくれる優れた写真です。一緒に蜜を吸う小さなガ(マドガ)もよいアクセントになっています。
如月音流【エゾシカ】
不思議な魅力を感じる作品です。丘の上から遥か遠くを見渡すようなエゾシカの視線が、見る人の想像力をかき立てるのでしょう。良く練られた構図と淡いトーンが、この作品をどこか神秘的なものにしています。
■佳作
目の付けどころがすてきな作品やおもしろい瞬間をとらえた作品を選びました。
宮下裕道【シカとカラス】
岡本華苗【淀川の野焼き】
仙波鉄也【那珂川にかかる梁】
馬場昌鷹【スズメの砂浴び】
小林 充【カラフルな壁】