2017.09.26(2017.09.26 更新)
世界遺産シンポジウム「自然と文化をつなぐ神聖な景観」に参加しました。
イベント報告
専門度:
テーマ:ユネスコエコパーク世界遺産
奄美・琉球諸島の世界遺産登録に向けたIUCNの審査が10月に行われます。世界遺産条約の最新の課題を探ると共に、奄美・琉球諸島の世界遺産に向けたのヒントを得るため、保護室の安部が世界遺産シンポジウム「自然と文化をつなぐ神聖な景観」に参加。現地からのレポートです。
保護室の安部です
★世界遺産シンポジウム「自然と文化をつなぐ神聖な景観」
UNESCOディレクターや、NACS-J専務理事もつとめる吉田正人氏(筑波大学)の挨拶でシンポのスタート。最初のスピーカーはトーマス・シャープ氏(元ユネスコ生態地球科学部長)で、神聖な地域における自然と文化のつながりについてです。
- 神聖な場所は生物多様性豊かな場所である
- 生物多様性豊かな場所は神聖な場所である
- 多くの世界遺産地は神聖な場所を含んでいる。(世界遺産、エコパーク、ジオパークなど)
- 資金の確保や、地元住民を巻き込むことなどを理由に、ジオパークや世界遺産など1つの場所に国際的な保護の網が多くかかっていた方がよい。済州島ではジオパーク、エコパーク、世界遺産、ラムサール条約の4つの網がかかっている。
- 図に示すよう、それぞれオーバーラップする場所があるという様子になる。
続いてティム・バッドマン氏(IUCN世界遺産部長)より「The World Heritage Leadership Programme」と題したお話がありました。
- 自然の価値を有する文化遺産があり、文化的価値の高い自然遺産もある。
- 文化遺産と世界遺産を分けたことによるマイナス部分もある。
- 効果的な管理(自然、文化、コミュニティ)、レジリエンス、影響についての評価、学習の場、リーダーシップのネットワークなどの要素を含む新たな取り組みを考えている。トレーニングコースの設置、大学のプログラムとのつながり、人々に何が正しい持続可能な利用なのかわかるようにすることなど。
さらに鈴木正崇氏(慶應義塾大学名誉教授)から日本の山岳信仰について、アムラン・ハムザ氏(マレーシア工科大学教授)からアジアの保護区に関する哲学についてお話が続きました。