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2017.08.31(2017.08.31 更新)

みなかみユネスコエコパークはこうして誕生した!

解説

専門度:専門度3

利根川の水をはぐくむ山々

テーマ:自然資源ユネスコエコパーク

フィールド:里山原生林

2017年6月14日、「みなかみユネスコエコパーク」が誕生しました。これは、みなかみ町(群馬県)での、自然と人が共生する地域づくりが世界的に評価された結果です。この地域には、NACS-Jが赤谷プロジェクトを行っている地域も含まれていて、私たちにとっても、とても嬉しいニュースです。今回は、みなかみユネスコエコパーク誕生を実現した縁の下の活動をお伝えします!

(リポーター・NACS-J 佐藤真耶)


ユネスコエコパーク登録支援担当 朱宮丈晴

ユネスコエコパークなどのしくみを活用しながら、地域の自然を守る活動の支援をしている。山男で、事務所にいるよりも現場にいる方が数倍かっこよく見える。

 

ユネスコエコパーク(以下、エコパーク)は、ユネスコ※1が、自然と人間がうまく共生している地域を登録するしくみです。同じく、ユネスコのしくみの世界自然遺産とよく比較されますが、世界自然遺産は世界でトップクラスの類を見ない原生的な自然が残り、管理されている地域を登録するしくみ。一方、エコパークは貴重な自然の保護・保全だけでなく、自然と人間が共生する地域を含めて登録できるのが重要な特徴です。

環境教育エリアにある、とっても大きなカツラの木

 

きっかけは綾ユネスコエコパーク

実は、みなかみ町でエコパークへの登録が検討され始めたのは、2012年の宮崎県綾町のエコパーク誕生がきっかけでした。みなかみ町と綾町は、どちらもNACS‐Jが積極的にかかわり、人工林を自然林に戻して生物多様性を復元するプロジェクトを行っています。2つの地域の関係者同士が初めて出会ったのは、綾町のエコパーク登録を機に行われた、赤谷プロジェクトの人たちが綾町を訪れるツアーでした。このツアーで綾町の取り組みに感銘を受けた赤谷プロジェクト関係者が中心となり、エコパーク登録に向け、本格的に動き始めました。

登録を支援した朱宮は、かつて綾町で自然を守るしくみを検討する中で、当時日本では休眠状態だったエコパークに着目し、町の人たちと日本では32年ぶりに登録を実現しました。日本MAB計画委員会※2の委員になり国内外の最新動向を把握し、只見や南アルプスでも、エコパーク登録に向けて、情報提供などの支援を行ってきました。みなかみエコパーク申請準備の際には、町の職員と毎月議論を行い、申請書の作成も手伝いました。

「10年以上にわたる赤谷プロジェクトの取り組みが既にあって、NACS‐Jと地元との信頼関係が築けていたから、登録に向けて動きやすかった。これまでの活動では接点のなかった町の人たちとも一緒に、エコパーク登録を目指し、実現できたことは本当に嬉しい」と朱宮も喜んでいます!
綾町もみなかみ町も、国際的な枠組みをうまく使いながら、地域の自然や文化を守り広めていて、国際担当としても感銘を受けました。

 

2013年に行われた綾町視察ツアー

 

登録に向けて毎月議論を重ねたみなかみエコパーク協議会

 

毎月初めの週末は、赤谷プロジェクトのボランティア活動日。参加者募集中です。

 

※1 国際連合教育科学文化機関
※2 ユネスコエコパークのサポートや登録支援を行う団体

 

 

リポーターから一言

初めて赤谷を訪れたとき、山に囲まれた人里のしっとりとした雰囲気にとても心が休まったことを覚えています。食べ物もお酒も温泉も最高です!
皆様もこれを機にぜひ足を運んでみてください!

 

リポーター
広報会員連携室 国際担当 / 佐藤真耶

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