2017.07.10(2017.08.21 更新)
外来種を侵入させないためのツールキット
専門度:
テーマ:外来種
各地でヒアリが確認されています。このため、外来種問題を考えるきっかけが増えたとは思います。
生物多様性条約第10回締約国会議で決められた愛知ターゲットの目標9では、「2020年までに、侵略的外来種及びその定着経路が特定され、優先順位付けられ、優先度の高い種が制御又は根絶される。また、侵略的外来種の導入又は定着を防止するために、定着経路を管理するための対策が講じられる」とされています。
そしてこのターゲット達成のために政府の取り組みを促すためのツールキットも作成されています。ツールキットでは、侵略的外来種に関する基本的な情報・CBDでの関連文書・侵略的外来種に関連するCOP(締約国会議)での議決文に関する情報(モジュール1)、侵略的外来種と関連する国際的な規制の枠組みについての情報(モジュール2)、侵略的外来種に関する各国の取り組み事例(モジュール3)について、紹介されています。いわば、侵略的外来種に関する世界的な共通認識や取り組み、最新事例が網羅されている文献集のようなものです。
日本自然保護協会では世界自然保護基金ジャパンと協力してNGO仮訳版を作成しました。
概要版は公開(https://www.nacsj.or.jp/2017/02/334/)していましたが、全編を公開いたします。
小笠原や南西諸島だけでなく、日本そのものが島国です。島しょでは外来種の侵入予防が最も効果的というのが世界の常識です。このツールキットから、世界ではどう考え、どう取り組まれているのかを知れば、我が国での取り組みの課題や問題点が見えてくると思います。そして解決すべき方向性を先行事例から導き出すこともできます。皆様の活動に何かの参考になれば幸いです。
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