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2017.07.11(2017.07.11 更新)

シンポジウム「奄美の森と海のつながり~水と砂の流れを考える~」に登壇してきました。

イベント報告

専門度:専門度3

テーマ:世界遺産生息環境保全

フィールド:

 保護室の安部です。

 

6月10日、奄美大島の奄美市名瀬にて、シンポジウム「奄美の森と海のつながり~水と砂の流れを考える~」が開催されました(主催:海の生き物を守る会、自然と文化を守る奄美会議/後援:日本自然保護協会)。約60名が参加し、活発な意見交換が行われました。

自然と文化を守る奄美会議の大津代表のご挨拶に続き、向井宏先生(海の生き物を守る会)の「奄美の海を世界自然遺産に!」と第するお話しから始まりました。日本の海岸に迫る問題から奄美大島が抱える問題まで広く紹介したのちに、素晴らしい奄美の海もぜひ世界自然遺産に指定されるべきだという問題が提示されました。

大津代表による開会の挨拶

向井先生の海のお話

 

続いてリバーリバイバル研究所の新村安雄さんから「亜熱帯最後の川-リュウキュウアユ年代記」と題し、1989年より取り組んでいたリュウキュウアユ保全の取り組みのご紹介がありました。リュウキュウアユは奄美大島と同じ琉球弧の沖縄本島にも生息していましたが、絶滅してしまいました。今は奄美大島にのみ生息しています。リュウキュウアユ保全のためには河川だけではなく、亜熱帯樹林帯、河口域、海域を含めての森(山)川海のつながりを保全・回復する試みが必要です。

 

山下博由先生(貝類多様性研究所)からは「貝類から見た奄美の海岸環境の貴重性」と題したお話があり、奄美の貝類相と海岸環境の特性と貴重性について、お店で売られている貝の話なども交えながら、そして最後には島唄ブルースを歌いながら、お話してくださいました。

山下先生の貝の話

島唄ブルースを歌う山下先生

 

私からは「世界自然遺産制度、森と海のつながり」と題した講演を行い、世界遺産制度や国立公園制度について、今回の奄美・琉球世界自然遺産推薦が抱える問題点についてご紹介しました。

パネルディスカッションではジョン高木さんから嘉徳海岸の護岸問題について動画を交えながら問題提起があり、住用町市(いち)からは栄清安さんからご紹介がありました。赤土が流れる川の水や泥の実物を見せながら、採石場が引き起こす問題や現状などをお話しいただきました。

ジョン高木さんによる嘉徳海岸のお話

ペットボトルに入れた川の水を見せながら話す栄清安さん

 

フロアからも多くの質問が出され、奄美の森と海の将来について活発な議論がなされました。
当日の配布資料はこちらこちらからダウンロードできます。

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