2017.05.15(2017.05.15 更新)
問題山積「海洋生物レッドリスト」絶滅危惧種でも資源保護の取り組みが甘い ~東京新聞の記事で保護室辻村のコメントが掲載されました。
メディア掲載
専門度:
テーマ:絶滅危惧種
フィールド:海
「資源は国民全体のもの」、「甘い管理 危機招く」、「科学的見地より漁業者に配慮?」など、東京新聞の5月5日の18面の記事で、環境省が今年3月に公表した「海のレッドリスト」に辛口の見出しが出ています。
環境省は、1991年から陸域の野生生物に関するレッドリストを公表をしていましたが、今回初めて海洋生物のレッドリストを公表しました。
今回の「海洋生物のレッドリスト」では、クロマグロやサンマなどの広域に分布して国際的に資源が評価されている種や水産庁が以前から調査している大衆魚やシャチやイルカ類などの小型鯨類をリストから除くなどの問題点も多く、科学的な知見から離れたたリストとなっています。
自然保護団体からもいろいろな意見が出されています。
日本自然保護協会の保護室長・辻村からは、既に2013年に環境省レッドリストに掲載されている二ホンウナギを例にとり、「ニホンウナギは母数が多く、真の意味で絶滅の可能性が高いとい言えないが、IUCN(国際自然保護連合)は減少率などを科学的に分析して絶滅危惧種と判断した」と説明し、「水産庁は絶滅危惧種でも資源保護の取り組みが甘い」と記事の中で発言し、海洋生物レッドリストについての疑問を呈ました。
海の自然は国民全体ものです。当会では陸域のレッドリストと同じように、科学的で適切な知見をもとに評価をするよう、求めていきたいと思います。
お知らせ
自然しらべ2017では、うなぎ目線で川・海をしらべます。絶滅危惧種IB類に指定されているニホンウナギ。ウナギがずっと日本の川で見られるよう、皆さまからの自然しらべへのご参加お待ちしています。