2017.04.18(2017.04.18 更新)
名護市東海岸の自然の価値を可視化する
専門度:
テーマ:自然環境調査
フィールド:海辺
【名護市東海岸1日目】
渡久地健先生(琉大)、中井達郎さん(国士舘大他)と一緒に名護市東海岸の自然の価値を可視化する調査に来ています。
今日は海が荒く船は出せませんでしたが、安部(あぶ)の海岸を海人の久志さんの案内で歩いてみました。
魚の通り道、漁の方法、ジュゴンのこと、イセエビとタコとウツボの闘い、などさまざまなお話を聞かせていただき、自然海岸が残るこの地域の生物多様性のいったんを見ることができました。
ジュゴンが使う海草藻場には今日は行けませんでしたが、昨年末にオスプレイが墜落した場所ととても近いことがわかりました。
夜になっても地図を見ながら議論が続いています。
【名護市東海岸調査2日目】
引き続き名護市東海岸の自然の価値の調査を渡久地先生と中井先生と進めています。
今朝はグラスボートに貸し切りで乗れたため、チリビシのアオサンゴ群集をはじめとし中瀬の方までぐるっと広く大浦湾を船上から視察しました。
沖合からちょうど今日から沖縄防衛局による岩礁破砕の有無について監視を始める沖縄県の船が入ってくるのが見えました。昨日までで予定していたコンクリートブロックのすべてを投下したため今日は事業者による作業はありませんでした。
午後は、安部オール島の洞窟(クラシミガマ)の調査をしました。鍾乳洞であり、上から雨水が流れ込んでいると推測され、大まかな大きさを計測しました。
船に戻る途中で安部オール島に昨年12月に墜落したオスプレイの破片を見つけました。物差しが1mですから相当な大きさです。また墜落の衝撃でねじまがったと思われる部品の曲がり具合もひどいです。
この2日間名護市東海岸の豊かさを堪能しているのですが、同時に軍事が切っても切り離せない位置にあることも目に入ってきます。
【名護市東海岸調査3日目】
汀間漁港から天仁屋の褶曲までを東恩納船長の案内で船から視察し、安部の洞窟に挑戦しました。まだ潮が高く無理でしたので、安部の海岸に行き、視察。浜辺にて海人の久志さんをピックアップ。久志さんのフィールドをご案内いただきました。
ジュゴンの通り道、魚の通り道、魚の寝場所など多くのことを教えていただきました。
そして藤田先生、中井先生とともに洞窟に再挑戦!大体の大きさを測り、洞窟の様子を視察し、ゾウリエビとミナミゾウリエビを見つけ、1日の調査を終えました。陸上ではまだまだ渡久地先生の聞き取り調査が行われています。
【名護市東海岸調査4日目】
4日目の今日は、朝は名護市東海岸嘉陽にて人がどのように海を使うのか視察や聞き取り調査を行いました。
石垣やお墓ににハマサンゴやキクメイシ、ミドリイシといったさまざまな種類のサンゴの石が使われている様子が見られました。
そして趣味で漁を続けてきた大城さん宅に伺い、海の様子や呼び名などを聞き、漁の道具や山の道具を見せていただきました。
午後は嘉陽海岸の測量を行いました。定点から見ると、1年前よりもずっと植物が育っている様子が見られました。ここでは新しくできた護岸の影響が心配されています。
護岸の影響を把握するには、砂の動き、水の動き、海草藻場やサンゴ礁などをさまざまな観点から長期モニタリングを行うことが必要です。