日本のユネスコエコパーク(生物圏保存地域)は、2014年に7地域になっていますが、15年8月の文部科学省の国内委員会で移行地域をもたない屋久島(鹿児島)、大台ヶ原・大峯山(奈良・三重)、白山(石川・岐阜・富山・福井)が拡張申請をし、さらに11月にはみなかみ(群馬)、祖母・傾(大分・宮崎)、木曽地域(長野)が概要申請を提出するなど活発化しています。
2015年10月5~9日に志賀高原にて第14回東アジア生物圏保存地域ネットワーク会合(EABRN)と日本ユネスコエコパークネットワーク会合(JBRN)が開催されました。EABRNが1997年に屋久島で開催されて以来久しぶりに日本で開催されたことと、自治体主導のJBRNが初めて開催されたことは、日本のユネスコエコパークの活動にとっては大きな出来事です。
これまで、日本のMAB(人間と生物圏)*計画は文部科学省と日本MAB計画委員会が進めてきました。いわば科学者主導で推進されてきましたが、今後はユネスコエコパークに登録されている7地域が主体的に会合を開き情報共有を行うことになり、国・科学者・自治体の3者が連携して推進していくことになりました。10月の会合では、保全管理計画や普及啓発、認証制度についての分科会も開催されました。EABRNはロシア・中国・韓国・北朝鮮・モンゴル・カザフスタン・日本の7カ国からなり、各国からの活動報告と規約改正などの議論が行われました。市民参加、認証制度、教育研修など共通の課題も多いことが分かりました。16年3月にはペルーの首都リマで10年に一度の世界大会が開催されます。国内のユネスコエコパークのネットワークは立ち上がりましたが、各登録地域の活動はまだまだこれからです。NACS-Jは、市民参加や教育研修の分野で支援していくための具体策を考えています。