2017.06.21(2017.06.22 更新)
ウナギの稚魚、半分近くが違法取引によるもの
解説
専門度:
テーマ:自然環境調査絶滅危惧種自然資源生息環境保全
フィールド:海川
共同通信の6月14日の記事で、二ホンウナギの稚魚(シラスウナギ)のうち、45.45%が密猟などの違法取引の疑いがあることが掲載されていました。
この問題は以前から指摘されてきたことで、昨年、日本自然保護協会が中央大学などと共催した「うなぎ未来会議2016」でも、一般参加者から疑問の声があがっていました。
市場に出回るウナギの半数近くが違法取引の可能性があるとは驚愕の事実です。トレーサビリティが不明、つまりどこからどこを経由して私たちのもとに届いたのか、その多くがわからないということです。ほかの食品でもここまでひどい状況なものはあまりないのではと思います。
ご存知の方も多いと思いますが、二ホンウナギはその減少率の高さから絶滅危惧種になっています。一方で土用の丑の日にはスーパーに大量にニホンウナギが並ぶ状況は今でも続いています。
稚魚の違法取引をはじめ資源保護をせずこのままの状況が続けば、近い将来本当にウナギが食べられなくなるかもしれません。一刻も早く資源保護施策を行うとともに、まだまだ謎の多いニホンウナギの生態を把握し、生息環境を保全する必要があります。
そこで私たち日本自然保護協会は、二ホンウナギの保全を目的に、今年「自然しらべ2017うなぎ目線で川・海しらべ!」という市民参加型の全国一斉調査を行っています。
ウナギはその一生の大半を日本の川や干潟などで過ごします。その環境が今、絶滅の危機にあるウナギにとって良いのか悪いのか調査します。
スマートフォンでも簡単に調査に参加できますので、お一人でも多くの方に参加していただきたいです。調査の方法など詳しくは、下記サイトをご覧ください。
6月22日の読売KODOMO新聞の1面、2面でも、「うなぎ目線で川・海しらべ!」が紹介されました。